渋谷にて
「おそ松さん好きなんですか?」
声をかけた女性は持っているバックにゲームセンターで1プレイ100円のプライズゲームによくあるぬいぐるみをつけていた。
アニメのおそ松さんのぬいぐるみだ。
こういうキャラクターもののぬいぐるみを持っている女性は声かけの話題ができて、すごく話しかけやすい。
その女性はいわゆる腐女子のように垢ぬけておらず、渋谷に来るのは初めてといった様子だった。
年は20代中盤ぐらいだろうか。見た目は美人とは言えなかったが、垢ぬけていない感じがかわいらしさがある。
アニメ好きの自分としては声がかけやすかった。
「スペイン坂に行きたくて・・・」
話しを聞いてみると、渋谷WWWというライブハウスを探しているが居場所がわからず迷っていたようだ。
ナンパをしていて道案内はよくする。声がかけやすいし、こちらで主導権が握ることができる。
でも、道案内で終わってしまって、それ以上仲良くなれたことはなかった。
それにしても共通の話題があると、相手が親近感を持ってくれやすくて仲良くなれるスピードが速い。
目的地に案内をして、ライブが終わった後に合流を狙ってLINE交換をした。
2,3時間後に相手からライブが終わったLINEが来る。
ちょうど歩き疲れていて、声がけを休んでいた。
「TSUTAYA前で会おう!」
この日はまだ1連れ出しのみ。せっかく日曜日に渋谷まで来たのだから成果がほしい。
カラオケに向かうも、満室。日曜日の夕方の渋谷では予想がついた状況だった。雑な対応だったと多少後悔した。
直ホを狙ってみよう。
直ホを今まで狙ったことはなかった。飲食店などを挟まず、カラオケでもなくいきなりホテルに誘導するなんて女の子に失礼な気がしていた。
道玄坂の坂を少しのぼったところにホテル街がある。
アニメやソシャゲの話しで場をつないでいたが、ホテル街の入り口あたりでこちらの思惑に気が付いたようだ。
案の定、強烈なグダをくらう。話しを聞いてみると今まで付き合った男はいないようだ。
このままだと解散してしまいそうなので、まずは和みなおそう。
今来た道の途中でカフェがいくつかあった。日曜日のカフェはどこも混み合っており、3店舗ほど巡ってケンタッキーの小さな飲食スペースに連れ出した。
彼女は遠方に住んでいて、今日決めなければ次につなげるのはなかなか難しそうだ。話しを適当に流しつつ男女の話しにもっていこうとするが、相手からの食いつきを感じない。あくまでも趣味の話しができる相手として時間をとってくれたようだ。
そのままうまく口説くことができず、渋谷駅まで送り解散。
後日アポの打診をしたが、資格の勉強などの理由で流されていた。
その後、自分が酔った頭で適当なLINEを送ってしまったことが原因でブロックをされてしまった。
今回の教訓は、気持ちのモチベーション、誘導の丁寧さ、連れ出しの計画性が欠けていたこと。
次回に活かしていきたい。